商品概要
ピアニスト堀澤幸恵によるこのアルバムは、これまで日本では馴染みが薄かったラテンアメリカのクラシカルなピアノ・レパートリーの一端を、本格的かつ効果的なかたちでご紹介する、価値高いものである。
作曲者のマリオ・ルイス・アルメンゴール(1914~2002)は20世紀メキシコの優れた作曲家で、若い頃からポピュラーな歌曲により名を知られた。
その後、同国人の大家ホセ・ロロンや、スペイン市民戦争の後、亡命のかたちでメキシコに住むようになった高名な作曲家ロドルフォ・ハルフテルに就いて学び、より高度な楽曲を手がけるようになる。
ピアノのための<キューバ舞曲集>(全19曲)は彼の代表作のひとつで、いわゆる”ハバネラ風”のラテン的リズムを持つ「ダンサ・クバーナ(キューバ舞曲)」のスタイルのうちに、さまざまな喜怒哀楽の表情を浮彫りにしてみせた、魅力たっぷりの小品集となっている。
類似のポピュラーな楽曲に比べて近代的な和声の扱いも興味深く、固有の芸術性にも欠けていない。堀澤幸恵の演奏もよく作品それぞれのニュアンスをつかんだもので、個々のタイトル(題名)と併せて聴くとき、夢の広がる楽しさがある。
音楽評論家
スペイン・中南米音楽研究家
濱田滋郎
参加メンバー
曲目リスト
- Recordando a papá ~父の思い出
- En el café ~カフェにて
- Serenata melancólica ~憂鬱なセレナーデ
- Viejos recuerdos ~昔の思い出
- Lamento criollo ~クリオール人の嘆き
- Ayer y hoy ~昨日と今日
- La siete ~第7番
- Los días felices ~幸せな日々
- Canta,clave canta ~歌え、クラーベに乗って
- Fantasiosa ~幻想曲
- ¡Pequeña,alegre y bonita! ~陽気でかわいい女の子!
- ¡Gracias a Dios! ~神に感謝!
- Triste amor ~哀しい愛
- Exótica ~エキゾチック
- Baila tristeza ~悲しい踊り
- Esencia ~エッセンス
- Ritmonia ~リトモニア(リズムとハーモニー)
- La dieciocho ~第18番
- ¡Si y No! ~イエスかノーか!
プロフィール
北海道教育大学札幌校芸術文化課程音楽科卒業。同大学卒業演奏会、札幌市民芸術祭新人音楽会、東京国際芸術協会新人演奏会、同協会主催のリサイタル等に出演。地元札幌でyukie concert seriesを開催し、主にスペイン・中南米の作品の紹介に尽力し、毎回好評を博している。
札幌を拠点にソロや室内楽の演奏を年間80回程こなし、積極的に演奏を行っている。メキシコの作曲家Mario Ruiz Armengolの「キューバ舞曲集」が、ハイレゾ配信のメジャーサイト(mora、e-onkyo music、Victor) より今秋リリースされる。